こんにちは。ばたこです。
「育休って、取ってもいいはずなのに…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
「また休むの?」「ちゃんと復帰するんだよね?」
心ない言葉に、嬉しいはずの妊娠・出産がプレッシャーに変わってしまうことも。
本記事では、産休・育休をめぐるトラブルや心ない一言に悩んだとき、
どんなふうに受け止め、どう対応すればよいのかをやさしくまとめました。
この記事を読んでわかること
- 育休ハラスメントにあたる言動とその境界線
- 職場で困ったときの具体的な対処法(やさしい言い方つき)
- 相談できる窓口や外部サポートの種類
- SNSやメールで注意したいポイント
- 自分を守るために“していいこと・しないほうがいいこと”

社労士法人で企業からの相談を受けてきた中で、育休や出産をめぐるトラブルに悩む方の声をたくさん聞いてきました。
「声には出さないけど、実は困ってる」
そんな方が少しでも安心して行動できるように、やさしく、わかりやすくまとめました。
今悩んでいるあなたにも、ちゃんと味方がいます。
第1章|どこからが「ハラスメント」?その境界線を知ろう
「え、それハラスメントなの?」と思ったあなたへ
職場でこんなことを言われた経験、ありませんか?
- 「また休むの?」
- 「戻ってくるんだよね?」
- 「育休取るなんて図々しいよ」
相手に悪気はないのかもしれません。
でも、その一言があなたを深く傷つけることもあります。
育休ハラスメントとは?
簡単に言えば、妊娠・出産・育児を理由に不利益な扱いを受けることです。
- 退職をしつこく勧められる
- 育休明けに仕事を外される
- 昇進のチャンスを奪われる
こうした言動は、厚生労働省でも「マタハラ・パタハラ」として問題視されています。
📌たとえば、2023年には愛知・東郷町の市長が、部下に対して不適切な発言をした件が大きな社会問題となりました。
「育休を1年取ったら殺すぞ」といった強い表現が報じられ、多くの批判が集まりました。
(参考:Yahoo!ニュース)このように、制度があるからといって理解や配慮が足りない職場が、今も残っているのが現実です。
境界線は「自分がどう感じたか」
「ハラスメントかも?」と感じたその直感、実はとても大切です。
相手に悪気がなくても、あなたが「嫌だ」と感じたなら、それはもう立派なサインです。
とはいえ、実際にハラスメントと判断されるには、
就業環境が害されていたかどうかなど、一定の基準があることも知っておくと安心です。
でも難しく考えすぎず、
「ちょっと引っかかった」「何かおかしい」と思ったら、まずは記録を残してみてくださいね。
「これは法律違反なの?」と思ったら…
もし、妊娠や育休を理由に契約が切られたり、降格させられたりしたら、
それはハラスメントを超えて法律違反になることもあります。
逆に、体調を気づかって仕事を調整してくれる場合は、
それはやさしさ。全部がハラスメントじゃないことも覚えておくと安心です。
こんな発言には要注意
よくある一言 | なぜ問題になるの? |
---|---|
「また休むの?」 | 育休の継続取得への否定とプレッシャー |
「戻ってくるつもりあるの?」 | 退職を促すような含みのある言い方 |
「育休取るならパートにして」 | 労働条件の一方的変更はNG |
「うちでは誰も取ってないよ」 | 暗に制度利用を妨げる圧力になる |



「嫌だな」と思った瞬間は、自分の心を大切にしてください。
小さな違和感でも、ちゃんと理由があるんです。
メモ、スクショ、録音。自分を守る準備は、早くて損はありませんよ。
第2章|心ない言葉をかけられたとき、どう対応すればいい?
まずは、自分を責めないで
- 「また休むの?」
- 「育休って、ただの長期休暇でしょ?」
そんな心ない一言に、傷ついた経験はありませんか?
もし、そんな言葉に引っかかるものを感じたなら、
まずは、「自分が悪い」と思わないでください。
あなたは何も悪くありません。
制度を利用することは、法律で守られた“当たり前の権利”です。
最初にやっておきたいこと|記録を残す
気持ちが落ち着いたら、できるだけ早くやってほしいのが「記録」です。
- 言われた言葉や日付をメモする
- スクリーンショットを取っておく
- 会話内容を箇条書きにしておく
- その場にいた人や状況もあわせてメモする
たとえばこんなふうに残しておくのがおすすめです。
- 2025年4月12日 13:30ごろ/会議室にて
- A部長に「また休むの?」と言われた
- 同席していたのは総務のBさんとC課長
- その後、空気が気まずくなり話題が変わった
たとえその時点で「相談する予定はない」と思っていても、
あとから「証拠があれば…」と悔やむ方が本当に多いんです。
言い返すのではなく、「確認」する形で対応を
つらい気持ちのまま、相手に怒りをぶつけたくなることもあるかもしれません。
でも、できるだけトラブルにならない形で、落ち着いて伝えることが大切です。
- 「すみません、ちょっと確認させていただきたいのですが、この制度って法律で認められているもので合っていますか?」
- 「念のための確認になるのですが、育休は法律で取得が認められている制度ですよね?」
- 「もし私の理解に誤解があったら申し訳ないのですが、育休について確認させてもらってもいいですか?」
- 「復帰の意志はありますし、制度の中で無理のない形で働きたいと考えています」
こうした言い回しなら、相手に嫌なを感じさせず、冷静に伝えることができます。
相談するタイミングは「早すぎるくらいでちょうどいい」
「まだ我慢できるし」「周りに迷惑かけたくないし…」
そう思ってしまう気持ち、すごくわかります。
でも、少しでも違和感を覚えたら、早めに誰かに話してみてください。
会社には「ハラスメント相談窓口」を設けることが義務づけられていて、
たいていは就業規則や育児・介護休業規程に記載されています。
まずは、社内の次のような窓口を確認してみましょう。
- 社内の相談窓口
- 総務や人事の担当者
- 信頼できる同僚
- 外部の専門窓口(次章で紹介)
誰かに話すだけで、ずいぶん気持ちがラクになることもありますよ。



我慢しすぎなくて大丈夫です。
相談することは“甘え”ではなく、自分を守るための立派な行動です。
特に、直属の上司や同僚は制度のことをよく知らないケースもあります。
だからこそ、総務や代表など制度を理解している人に相談することで、より適切なアドバイスがもらえることが多いです。
つらいときは、ひとりで抱え込まず、安心して頼ってくださいね。
第3章|それでも解決しない場合は?相談できる場所まとめ
社内で相談できる場所は意外とあるかも?
まずは、会社の中に相談できる窓口がないかを確認してみましょう。
- 人事や総務
- ハラスメント相談窓口(就業規則に書かれていることが多いです)
- コンプライアンス担当
- 信頼できる先輩や上司
「ちょっと聞いてほしいだけなんですが…」
そう伝えるだけでも、話しやすくなりますよ。
社内で解決できないときは、外に頼って大丈夫
「会社に相談しづらい」「動いてくれなかった」
そんなときは、外部の相談窓口を使ってみてください。
労働局の「雇用環境・均等室」
- 妊娠・出産・育休・復帰後の働き方などに関する相談ができます
- 無料で、匿名でもOK
- 必要に応じて会社へ助言や指導が行われることも
弁護士や法テラスに相談する
- 「これって法律的に問題あるのかな?」と不安なときに
- 法テラスなら収入条件を満たせば無料相談が可能です
- 無理に手続きを進められることもないので安心です
「相談したら不利になるかも…」は心配しなくて大丈夫
「相談したら会社での立場が悪くなるのでは…」
そう思う方も多いですが、法律では、相談した人を守る仕組みがちゃんとあります。
- 相談したことを理由に、不利益な扱いをするのは禁止されています
- 会社は、調査や再発防止の対応をする義務があります
もし「相談したほうが悪い」と言われたなら、それ自体が問題なんです。



我慢しすぎなくて大丈夫です。
相談することは“甘え”ではなく、自分を守るための立派な行動です。
特に、直属の上司や同僚は制度のことをよく知らないケースもあります。
だからこそ、総務や代表など制度を理解している人に相談することで、より適切なアドバイスがもらえることが多いです。
つらいときは、ひとりで抱え込まず、安心して頼ってくださいね。
第4章|気をつけたい“していいこと・しないほうがいいこと”
つらいときこそ、冷静さを忘れないで
ハラスメントや心ない言葉に傷ついたとき、
怒りや悲しみがこみあげてくるのは当然のことです。
でも、そんなときこそ一呼吸おいて、
自分を守るための“冷静な選択”が大切になります。
ここでは、やっていいことと、できれば控えたほうがいいことをまとめておきます。
していいこと(自分を守る行動)
- 気持ちをノートやスマホにメモする
- どんな言葉に傷ついたか、どう感じたかを書き出してみましょう。
- どんな言葉に傷ついたか、どう感じたかを書き出してみましょう。
- 信頼できる人に話す
- 話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。
- 話すだけでも気持ちが軽くなることがあります。
- 相談先の情報を調べておく
- いきなり連絡しなくてもOK。窓口や連絡先を保存しておくだけでも安心です。
しないほうがいいこと(あとで後悔しやすい行動)
- 感情的な対応をする
- 強い言葉を使ってしまったり、冷静さを欠いてしまうと誤解を招くことも。
- 強い言葉を使ってしまったり、冷静さを欠いてしまうと誤解を招くことも。
- SNSで状況を投稿してしまう
- 共感がもらえることもありますが、スクショや拡散など予期しないトラブルになることも。
- 共感がもらえることもありますが、スクショや拡散など予期しないトラブルになることも。
- ひとりで決めて、すべて抱えこむ
- 解決策が見つからないときは、誰かに話してみることが最初の一歩になります。



「こんなこと書いて大丈夫かな?」って迷うときは、少し時間を置くのもひとつの方法です。
つらいときほど、早くなんとかしたくなりますよね。だけど、焦って動くとあとで後悔してしまうこともあります。
自分を守るためにも、「冷静な自分」を取り戻す時間を大切にしてくださいね。
まとめ
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
産休や育休をめぐるハラスメントや、心ない一言に悩むのは、決してあなたのせいではありません。
どんな状況でも、自分を守るための行動を選んでいいんです。
この記事を通して、「相談してもいいんだ」「誰かに話してみよう」と思ってもらえたら、とても嬉しいです。
今日からできること
- 気になった言葉をメモしてみる
- 信頼できる人に気持ちを伝えてみる
- 労働局や法テラスのサイトをブックマークしておく



ここまで頑張って読んでくださったあなたへ。
どんなに強く見える人でも、ひとりで抱えるのはつらいものです。
私もこれまで、多くの相談を受けてきましたが、最初の一歩は「誰かに話すこと」でした。
お困りのことがあれば、コメントやメッセージをいただけると嬉しいです。
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